展示会にて

規模が大きく有名な展示会(ショー)のひとつ、ギフトフェアが始まりました。
展示会の仕組みというのは、各デザイナー(または会社)がひとつのブースを持ってそれが数百個集まって会場を作り
そこに、個人店からデパートまで様々な小売店からバイヤーがやって来て次のシーズンのために仕入れるというわけです。

私も自分が実際に始めるまでこの卸の仕組みを知りませんでした。

それまで、NYにあって自分がいいと思うお店を一軒一軒回ってたんです。
ひとつひとつ行ってたのでは効率が悪すぎると実感しかけた頃、あるお店のバイヤーさんに
「これだけコレクションが揃ったら、もう展示会に出してもいいと思う」と言われていくつかの展示会の名前をメモに書いて渡してくれたのがきっかけです。

たいへんだって言うのももうイヤなんですが、毎回のことながら、展示会の前は本当にたいへんで泣きたくなる。
というか何回も泣いた事あります。
新しいコレクションを作らないといけないプレッシャーだけでも大きな重圧なのに
それに加えて、写真撮影、ラインシート(カタログ)の作成、会場の準備には丸一日かかり。招待状を出したり、あるいは電話したり。

で、洋服のデザイナーさんと大きく違うなーと思うのは、
ジュエリーの場合これを全部ひとりかもしくは家族の誰かの助けを借りてやっている人が多いっていうこと。
アシスタントもいない人がほとんどです。
つまりはひとつひとつのビジネスの規模が小さいってことなのかもしれない。

展示会になると、色んなデザイナーのボーイフレンドやハズバンドがヘルプにやって来るので、なんとなく微笑ましいのです。

さて、今回も久しぶりに会うデザイナーのほとんどが、疲れがたまって初日に具合が悪くなってるという。
しかし前日は、すっぴんで頭痛と戦いながらTシャツで会場準備に着てた彼らが
初日になって、皆がんばってお化粧してイヤリングして、かわいいワンピースを着ているのを見ると私もそれなりに気合いが入ります。

今回のショーの合間に、色んなおじさまに、今の経済について、アメリカの借金についてレクチャーしてもらいました。
すごく説明が上手なので、ここ最近全くテレビを見ていなかった私はこの展示会の間にとても勉強になりました。
英語って、説明するのに向いている言語ですよね。

まあ、どうしてそんな話になったかというと、とにかく展示会にいる人み〜んなが小売り産業で物が売れないことについて憂えていたからなんですけど。

結局、まとめてしまうと
1、このトンネルはまだまだ長く続くであろう
2、アメリカの超リッチ層と貧困層は元気がある、、、両方とも税金を節約できているから。
3、民主党だろうが共和党だろうがどっちが政権持っても良くなるということはこれから長い間なかろう
4、アメリカはとにかく借金多すぎ

あまりに暗いので、なんか現実逃避したくなって、ジャッキーチェンの映画を「プロジェクトA」あたりから順番に見る事についてついぼんやり考えちゃいました。