世界のおとぎ話

お店を始めて、今まで会うことのなかったような人たちに会うようになった。

先日、外交官をしている人が奥さんの誕生日プレゼントを買いに来て彼は「タックス免除」のIDカードを持っていた。
ある国の政府に勤めていて、そのカードを見せれば世界中どこでも消費税を払わなくていいんですって。素敵な特典ですね、と言ったら
「アメリカでは消費税が高くないからそれほどお得感はないけど、ヨーロッパだと消費税が20%だったりするから車買うときは助かったなあ。」と。

日本は5%の消費税を上げるかどうかでもめているのに、、、
私はNYの消費税8.875%が高すぎると思っていたのに、、、
20%とはなあ。

NYはハーフどころかいろんな国籍がミックスされていて、しかもいろんな国で育った人たちが集まるところがラブリーだと思う。世界中がこうなればいいのにと思う。
差別に悩まされた人が、NYにたどり着いて「ここにこういう場所があったか」と思うのだと聞く。

先日ブラジル育ちの日系人の方にもお会いした。
ブラジルには日系人ばかりが住む町があるんですって。で、学校帰りにはたこ焼き屋に寄るんだそうですよ。彼女はその生活に慣れているからNYの自宅でもたこ焼き作ってるそうです。

それを聞いて、ポルトガル語を話す日系人ばかりが集まる町でたこやきを売っている女性の姿がぽわんと見えて、なんだかおとぎ話みたいと思った。

NYに来たばかりの頃は、日本のことについて聞きたがるアメリカ人に対して(なんて旺盛な好奇心。私にはそういうパッションがないんだな。)と思っていたけど、今はもう色んな人に育ったバックグウンドを聞くのが楽しい。

この一週間、「海外からブルックリンに引越してきたばかり」という人たちに立て続けに会っている。そういう季節なんでしょうかね。

さて、そろそろイヤリングを作る続きしないと。よっこらしょ。

しばいぬ

NYで日本人に遭遇するのは頻繁にあることだけど、昔バージニアで留学生だった時はアジア人が珍しかったので見かけると「同志?」っていう気がしてちょっとわくわくしたものだった。そして実際話してみると、大体のアジア人がアメリカ生まれであったのだけど。

それと同じような気持ちになるのが、NYで柴犬を見かけたとき。
柴犬は人気の犬種なのでわりとよく見かけるのだけど、白い毛に細くてつり上がった目を見ると「同志〜!」と言って背中をパンパンしたくなる。はるばるよくアメリカ大陸までやってきたなあ、NYで頑張ってやってるの?と話しかけたくなる。

そしてついに先日お店に柴犬がやってきた!
短くてぎっしりとした直毛。つい顔を両手でぎゅう〜っとはさんでもっと細い目にさせてしまった。それで嬉しそうにしている。かわいいなあ。

日本で私が通っていた大学の教授は若い頃アイルランドに留学していて、アジア人なんて全く見かけなかったらしい。気候も曇りがち、皆には冷たくされて毎日が本当に孤独でつらい日々だったそうだ。

ある日バスに乗っている日本人らしき人を見つけて思わず追いかけてしまった。日本人ですか?と聞くと「自分はアイルランドで孤独に勉強してきた。君もそんな風に頑張らなければならない」と言われてぷいと去って彼は愕然としたらしい。

私が交換留学から帰ってきて、最初に大学でその教授に会った時
「辛かっただろう〜?」と言って迎えてくれた。実際そんなには辛くなかったのだけど「色々大変でした」と言うと哀れみの目で私を見てくれた先生。

もしそんなにも孤独な海外生活だったら、私も柴犬を追いかけてNYを走り回っていたのかも。だってあまりにも郷愁をそそる顔つきなんだもの。

2012年になってからしたこと、思ったこと

無くなったと思っていた大事な大事な国際郵便物がひょっこり出て来た。NYからスイスまで、かかった日数1ヶ月。今では全然怒りの気持ちない、逆に嬉しい。郵便局員さんと両手を合わせてキャッキャしたい。

今月で父が亡くなってから3年がたつということ!あまりの時間の早さにびっくりする。
ありきたりだけれど、一日を大事にしていかないとあっという間に人生が終わってしまうんだなあ。
今年はもっと自分のために時間を使いたい。インスピレーションを求めて旅行したり、家族に会いに日本に行ったり、もっと髪を頻繁に整えに行ったり、おいしいものを作ったり食べたり。

実際いい年なので、そろそろ「しなくてはいけない」から「自分のペースでできる方法」を編み出していきたい。
幸い仕事に関しては自分ひとりでほとんどのことが決められる立場にあるから、今までみたいに胃をキリキリさせながら徹夜するような仕事の仕方から、少し余裕のある方向にシフトさせていきたい。
もっとインスピレーションを得てデザインする時間を増やしたい。スタジオをお店方式にしたことによって、方向性が少し見いだされたような。

お餅がおいしい!お餅が家にあるととても幸せに感じる。私みたいに一年中お餅がほしい人って他にもいるのかなあ。

大好きなアーティストのNateさんから作品が年末に届いた。早く額に入れて家に飾りたいなあ。

お正月にトルコに行った姉の旅行通信を読んでいると、とても興味深かった。自分ではNYでの毎日がありふれた日常なのだけど、もしかしたら日本に住んでいる人にとってはNYでの生活も興味を持ってもらえるようなおもしろみがあるのかなあ、と。

FacebookとTwitterどちらもどうも続かない。結局どうしてできないかっていうと突き詰めればただ単純に知り合いが少なすぎるっていうことなのか、と。

Pandra Radioによって、久しぶりに大好きなバンドを見つけることができた。The Bird and the Bee。彼らが歌っている日本が大好きっていう曲、Love Letter to Japan、かわいい曲だけど震災の後聴くといつでもじーんとする。

実際もっといっぱい色々思うところはあるのですが、年末の疲れからかお正月は2日間ぐったりと眠り続けたのでまだそのモードから抜けきれない状態。3日から仕事を始めたのですが未だにエンジンがかからないのは一体どうしたことか、、。なんとかスタジオまでは毎日出勤しているけど、目は3時くらいまで寝ています。

つくづく思うのだけど私は体のどこをスライスしても日本人。お正月はやはり5日まで休むべきだし、ご飯はお米と野菜と魚中心がよい。年末はパーティで飲んで盛り上がるより家族と静かに過ごして年始には墨で今年の目標を書きたい。これ全部やるの、NYでは実際に可能だと思う。ただほんの少しの説明と勇気が必要。

とりとめのないところで。
今年もよろしくお願い致します。

拝む2011

あと2日で2011年も終わり。

気になるのは果たしてウチで大掃除ができるのかっていうこと。日本と違い、お店も普通に31日までオープンしているのが通常なので、私がもしお店にいたら家の大掃除が間に合わない、、、どうしよう!
まだ明日オープンするか迷っているけれど、こうなったらアメリカ方式のplay by ear(その場の状況によって決める)で行くしかない。

今年は、お店をオープンするという大きな決断があったけど、思い切ってやってみて本当によかったと思います。日々色々あって臨機応変に対応しなくてはいけないけれどお客さんは本当に温かくて、買ってくれているにも関わらず逆に私に感謝してくれる日々に、さらに私からありがとうと言う毎日です。幸せです。
こんなに地域の皆さんにお店を可愛がってもらえるなんて、天国のお父さんも「へー、そりゃよかったなー!!」と鼻息を荒くして喜んでくれていることでしょう。

お店という場所では今まで常にお客さん側にいた私。
お店に入って行って、店員さんにhelloと言われたら挨拶は返していましたが、自分がお店でお客さん達を迎える立場になったとき、お客さんのフレンドリーさに圧倒されることがしばしば。
初めてのお客さんでも手を振りながら満面の笑みで入って来るので、私自身が「あれ、知り合いだったかな?」と間違えることすらあって。

そして、いいと思ったときには全力で「好き好き!」と言ってくれるので本当に、、なんていうか正直、、気分がとてもいいです。私も生きている間、好きなものには全身で好きという気持ちを表現しようと思わされます。それは誰にとっても気分がいいから、いいことですよね。

ジュエリーのいいところは、一度買うと多分孫の代くらいまでは引き継いでもらえること。それぞれのお客さんが購入に至るまでには、それぞれの理由とストーリーがそこにあるわけで、そういうのを聞くと私お客さんが帰った後で泣いちゃいそうになります。ジュエリーを箱に入れながら何度も泣きそうになったけど我慢しています。

唐突に聞こえるかもしれないけれど、そんな色んなエピソードを聞くと世界の平和を願わずにはいられないし、世界平和っていうのはそういうそれぞれの個人や家族単位の愛情から始まってるっていうことがよく分かりました。

2012年がいい年になりますように。色んなお客さんから年末ずっと拝まれてますが(一部の人にとってはそれが日本で最高に丁寧な挨拶だと思われている模様です)私も日本に向かって拝みます。皆が元気で笑える一年になりますように。

クリスマスラプソディー

クリスマスプレゼントがこんなにも真剣に捉えられているということはアメリカに住み始めて知った。ある年、12月24日の閉店直後の大型化粧品前で、中年の男性がドアを叩いて「入れてくれ〜!妻に殺される〜!」と叫んでいたのを見たときに、(これはただ事ではないな)と感じたのを覚えている。それをあざ笑うガラスごし店内の店員たちを見たときに「狂想曲」という言葉が思わず頭に浮かびました。

こうなってくると、楽しいプレゼント選びと同時にストレスと苦痛も味わうことになるのではと心配になる。
しかも、プレゼントはひとつではない場合も多い。メジャーなプレゼント以外にストッキングスタッファーという、例の長靴の形をした靴下に小さなプレゼントをいくつも入れたりする。

クリスマスが近づくとツリーの下に名前が書かれたプレゼントがどんどん置かれていく、、、プレゼントをまだ買っていないお父さんはプレッシャーを感じて、、これ想像ですけど結構つらかったりするんじゃないでしょうか?

アメリカでももちろんクリスマスを祝わない人たちもいますが、プレゼントをしないという人はかなり少数派だと思われます。理由はやはり子供がプレゼントをもらわないとかわいそうというのが大きいように感じます。サンタクロースはユニバーサルですし、ね。

スタジオの前方にお店のスペースを持って、初めてのクリスマスですが、たーくさんの女性が夫やボーイフレンドに「あそこで買うものなら何でもいいから、プレゼントはあそこで探すべし」という指令を受けて男性陣がギフトを買いにどっとやって来てくれました。「そう彼女に言われたんだよ〜」とを聞くたび、本当にありがたく感じました。

さて、NYでは今日がクリスマスイブ。
今年は思い切り和風にクリスマスしようかと思っています。でもつい雰囲気に踊らされてチキン丸ごと買ってしまったのですが。塩麹で丸焼きしてみようかしら。

今日の出来事 ホリデー前

今日はかわいい3姉弟が、お母さんへのクリスマスプレゼントを選びに来てくれた。
一年生の弟くんが、一所懸命に小さいノートにプレゼント候補のジュエリーを全部スケッチしていてかわいかったなあ。その姿を見ていると、にやにや笑いが止まらなかった。

今日の動物:
スタジオの窓に目をやると、パンダみたいな柄の猫がこっちを見ていた。どうやって庭に入れたんだろう。

お客さんの連れてきたチワワくん、首から始まって背中からお尻にかけてに大きな傷があった。
救済された犬を飼っているそうなんだけど、手術ではなくて虐待された傷跡らしいと言っていた。一体どんなことされたらあんなに大きな傷になっちゃうんだろう。大きな闇を感じる。

ミシェル・ファン

お化粧の仕方というのをよく考えたことがなかった。
私はファンデーションを塗らないで日焼け止めを塗ったらパウダーで終える主義なので、それ以外はマスカラをつければもう充分というつもりでいた。

でも。

皆さんはyoutubeをどれくらい見ていますか?
私はほぼグーグル代わりに使うと言っても過言ではないほどにyoutubeを使っています。
例えばジュエリーをラッピングするのにも、簡単な包み方を動画で教えてくれるのでたいへん役にたつのです。

何がきっかけだったか忘れたけれど、youtubeでMichelle Phanという大学生の女の子が「お化粧の仕方」を紹介するビデオを作っていたのを見ることがあって、それから彼女の作ったビデオは新しいのがアップされる度チェックしています。

私が何故彼女が好きかというと、発想にオリジナリティがあって独創的なこと。
編集の技術もみるみる間に上達していって、自分ひとりでここまでのレベルの作品を作れるのかーと感心してしまいます。ライティングや音楽、背景までとっても凝ってるの分かるでしょうか。
そして私まで「何か作りたい」という意欲にかき立てられるのです。

彼女は大学を卒業して、お寿司屋さんのバイトをして、その頃からあれよあれよと言う間に有名になって、ランコムがスポンサーになり、フリーのメークアップアーティストとしても活動してるみたいです。そして日本のアニメやゲームが大好きな彼女のビデオには「初音ミク」とか「ファイナルファンタジー」がテーマのメークまであるのです。

私がアイシャドウを買いたいという気分にさせられたのも彼女のおかげ。
このビデオは私のお気に入りのひとつだけど、もっと簡単で毎日使える「コンシーラーの使い方」「アイラインのひき方」みたいなのビデオも作ってるので彼女のチャンネル内でそれも是非検索してみてください。
それにしてもすごいセンスだと思いませんか?